ついさっきまで 「カワセミの写真の撮り方」 について書こうと思っていたけれど、また別の機会に。
私の小学校時代、給食の時間が終わっても、食べ残したお椀の中身をにらんだまま昼休みが終わり、掃除の時間が来て午後の授業になっても、その姿勢でじっとしている友達がいました。
今となっては、「食べられないものは無理して食べなくていい」 と思うし、「『食べられない』と思い込んでいるから食べられないんだよ」とも思います。
なぜこんな話をするのかって?
ロボプロの授業中も、時にこういう人がいるのです。
テキストのところどころに、「プログラムを考えよう」 というコーナーがあります。
バインダーに挟んだままじっと眺めているのです。バインダーから外してその紙だけ眺めているのです。眺めて何をしているのでしょうか?
それぞれ限度と条件はありますが、
「授業時間の使い方は、自由」
「人には考える権利がある」
「少なくともロボット教室は、まちがいや失敗経験をする場だ」
と思っているので、一人一人の様子は見ていても、あまり口を出しません。
こういう時には、僕は気が長い方なので、けっこう時間が経った後で声をかけると、
「パソコンから書きこんだのに動かない」
「動作しない」
「全然わからない」
などと答えが返ってきます。
結局は「テキストをしっかり読め。全部書いてるぞ。ちゃんと考えろ」なのですが、
その前段階でつまづいているように思います。
学校と同じと考えるのか、
①「わからない」と言わない。言えない。
②僕に見つからないように、スルーして先に行く。
③考えることを楽しめない。
④(きれいにノートに書くように言われているのか)紙にメモを書けない。
⑤たった一つの穴埋めの正解を空中から探そうとする。
⑥参考解答例のプログラムを探す能力を磨く。
⑦自分がどこまでわかっているかわからない。
(「わかる」か「わからない」かのデジタル思考。「わかる」がどういうことか、
どうやってたどり着くか、知らないのかも)
⑧それを明確にことばにできない。
⑨その課題やトラブルは、自分で考えることか、僕に質問することか、すぐに区分できない。
⑩過去の同じ経験を思い出せない。
ここまで書くと、単純に言い切れなくなってしまいますが、
それでも、「わからん」 「困った」 と声を出してほしいです。
質問されたら瞬時に、生徒か、僕か、誰が取り組む問題かわかります。
パソコンやパーツが壊れていることもあるので、早い方がいいです。
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「プログラムを考えよう」については、生徒の皆さんそれぞれに応じたことを返します。考えることを楽しんむ経験をしてください。
ロボティクスプロフェッサーコースの授業で、生徒の皆さんがどんなことをするか、「体験・説明会」で話したことを改めてここに記します。
①ロボットを適当に組み立てて、動かして遊ぶだけだったら、
市販のおもちゃを買ってもらった方が、時間もお金も無駄にならないよ。
②「このボタンを押したら、何かが動く」というのは、ロボプロコースで
自分が組み込んでいくもの。完成度が高いものを求めるなら、
おもちゃを買ってもらった方がいい。
③テキストにはすべて書いてある。ネジについてや、外すパーツについて
本文に書いてあることもあるから、プラモデルの組み立て方の図のように、
図の部分だけ読んでいてはダメ。だから、全部しっかり読むのは当然のこと。
④テキストを読むペース、組み立てるペースは人それぞれなので、
一斉授業にならない。自分で、抜け落ちなく、すべてのページを読むこと。
⑤プログラミングで、「適当に」やってうまくいくことは、地球上の
一人の人に偶然出会うことより珍しい。「プログラムを考えよう」を
考えるポイントはほんの少しだけ。それを考えることさえ捨てちゃだめだ。
⑥「何を作りたいか」それは一人一人の頭の中にある。
自分がおもしろがれる「作りたいもの」を考えるのが、ロボプロコースでの
みんなの仕事。
その上での、「わからん」 ことだから、できるだけ早く「わからんと言った方が得」 なのです。
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※<受験生を応援する気持ちからの余談>(再録)
実際に切実な話として入試勉強は、自分の人生を自分で考える貴重なタイミングです。
子供が自分で決めることができて、
重点的に勉強することを自分から学校でも塾でも先生に個別に相談できれば、
勉強をしやすい環境を見つけ出すことができて、
少々レベルの高い学校にもチャレンジできます。
もっとも、入試で人生のすべてが決まるのではなくて、
「入試」 と 「やりたいこと」 は全く別物なので、
合格しなくても別の場所で 「やりたいこと」 ができます。
というか、入試にかかわらず 「やりたいこと」 が 「やりたいこと」 です。
もし、その学校にしかないものだったら、 「やりたいこと」 のためにがんばってください。応援しています。
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