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【「いい子」は「いい子」?】

category : コラム, 人生を考える 2019.3.22 
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 「いい子」というと、どんな子供を思い浮かべますか?

 思いやりのある子、大人の言うことを聞く素直な子、親が言わなくてもする子、その場の状況に合わせた行動ができる子、ハキハキとして明るい子、あいさつのできる子、みんなと仲良くできる子、友だちが多い子、きょうだいの面倒見がいい子、早くやり終えられる子、一人でやり遂げられる子、ガマンできる子、集中できる子、学校の成績がいい子 など。

 「いい子」って、自分が「やりたい」と思う気持ちを脇に置いて、場の空気に合わせて振る舞うことができる子です。
 賢くないとできないので、学校の成績もよくなります。近くの大人としては、楽ができる子供です。
 こういう子供たちほど、本来自分がやりたいことをガマンし続けているため、思春期に問題行動を起こすことが多い、とも言われています。
 自分がやりたいことよりも、大人がやってほしいことを先回りして察知して行動しているため、限界まで来たら爆発するのだそうです。
 もしくは、家庭ではルールが厳しく、少しでも外れるときつく叱られるため、家ではルールの枠内できちんと生活し、外では暴力的になる子もいます。

 子供が大人に合わせてくれていることを知って、感謝の気持ちを伝えられていたらまだしも、やってくれていることが「あたり前」になって、むしろできなかった部分を叱ることもあります。

 決まっているその場の枠を守るのは、社会生活を過ごすうえで必要なことですが、
 狭い枠しか知らない「いい子」だと、「大人の指示を守るのに必死」 「大人の指示がないと何もできない」 となりがちです。

 今の大人が「いい子」だった子供時代に、思い当たることはありませんか?

 私の体験です。私もおそらく「いい子」でした。学校の成績はそこそこだったのですが、「自分がやりたいこと」がいつまでもわかりませんでした。

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 ここはロボット教室です。ロボット教室から各家庭へのお便りの紙面です。
 『「いい子」とロボット教室』について書いていきます。

 ブロックのロボット教室からロボプロまで眺めてみると、いろいろな人が来ています。中には、上に書いたようないわゆる「いい子」もいます。

 聞きわけがよく、椅子にチンと座っている。学校の成績もかなりいい方。
 けれど、ロボット教室では講師として、「はて、どうしようか?」と思うときがあります。

  ・問題の文章から数式にできない。ただし、式を教えると計算は早い。
   (たとえば、距離=速さ×時間 の応用問題)
  ・簡単な問題も、「これやった方がいいですか?」と講師に質問する。
  ・その後似た問題が出た時、解き方を思い出せない。
  ・テキストに書いている以上の「こんなことやってみたい」が思い浮かばない。

 これらがありがちです。ロボット教室で学んでほしいことは、

  ・ものの仕組みや動く原理を知ろうとする好奇心と知ろうとした経験
  ・速度計算などでの、物の関係をわかったうえで数字を当てはめていく能力と経験
  ・「これやってみたらどうなる?」というチャレンジをした経験

 世の中のことは、たいがい計算できるということを知ってほしいし、
 自分ができるんだと自信を持ってほしいし、
 自分の興味の探求心を制限しているフタを取り外してほしいと思っています。

 探求心を起こして、「自分がやりたいこと」をどうやって見つけるかご存知ですか?興味がわいたことを片っ端からやってみて、違うな、と思ったらすぐに止めて、自分にぴったりのものと出会うまで次々とチャレンジするのです。「これだ」と思ったことは続けてみて、「やはり違う」と思ったら止めたらいいのです。そうやって、共通の特徴を整理していくと、「自分がやりたいこと」が見えてきます。

 「いい子」でいようと思ったら、このようなことがやりにくいですね。

 ロボット教室に来てくれているときには、いい子でなくてもいいので、探求心を働かせる経験できる場にしてもらえたら、と思っています。

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