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【自己主張できる子に育てる】

category : コラム, 人生を考える 2019.4.23 
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 先月、【「いい子」は「いい子」?】( https://robot.core-infinity.jp/2019/03/polite/ )というタイトルで書きました。
 性格が素直で、成績が良さそうなのに、
 ロボット教室の授業中にやっていることを自分からつかみに来ようとしなかったり、
 テキストに書かれていることを少しだけでも変えて試してみようとするアイディアが出てこない生徒のことを、
 人ごとと思えず、「もったいない」と、私はどうしても気になるのです。

 どういうことかというと、
 ロボット教室のテキスト通りにつくって、
 テキストにある問題の答えを書き込んで、
 それだけで満足しているように見える生徒さんがいます。

 1カ所でも、パーツをつけたり取り外したり、
 プログラムを加工したり、
 思い付きを形にしようとしたりしません。

 ほかの生徒と対戦して勝とうとしなくても、
 自分の満足度を高める改造も思いつかないように見える生徒さんがいます。

 理由が同じかわかりませんが、完成したロボットを次のテキストが来ても分解したがらない生徒さんもいます。

 または、テキストにある問題を、自分一人の力で答えを出しきれない生徒さんもいます。
 解説したら、納得した素振りはするのですが、似たような問題は解けません。
 私に合わせて適当にその場で相槌を打っているのではないにしても、本当の理解はできていないのでしょう。

 おとなしい生徒で、ほかの生徒に乱暴することはないですし、
 ロボットやパーツを壊すような乱暴さもありません。

 ここに書いたことで、困っている本人がいるなどと想像できない生徒さん、
 保護者の方もいらっしゃると思います。
 「ロボット教室」というかなり限られた場でも本当に多様な生徒さんがいるのです。

 「こういう子たちの性格の半分、いや1/10でもうちの子が持ってくれたら」

 と思う方もいらっしゃると思いますが、無いものねだりはできません。
 人間はいいところも悪いところも表裏一体で、
 常に100%なので、何かを取り入れたら何かを捨てなければいけません。
 いいとこ取りはできません。

~~~~~~~

 私も似たような子供だったので、昔の自分に「がんばれ!」と応援したいのかもしれません。

 記憶しているのは、小学4年生のころ。
 片足を失った巨大なダチョウの物語の読み聞かせを聞いて、「絵を描く」という授業でした。
 どう考えても絵のアイディアが浮かばなくて、
 夕方のサバンナで空も夕陽もオレンジ色に塗るところまでで、それ以上描けませんでした。

 そのときの経験を分析すると、
 「適当にそれっぽく描ける子」
 「先生の意図を組んで描ける子」には描けても、
 私にはその能力はなく、
 「描きたい絵面」も思い浮かびませんでした。

 私には「主張する度胸」はありましたが、
 「主張したいこと」と「主張するための技術」がありませんでした。

 今だから言えることでしょうが、
 文章やドラムのリズムだったら表現できたかもしれません。

~~~~~~~

 2つの話題を足し合わせると、このような結論になります。
 他人に合わせるのではなくて自分から主張したり、
 創造したりする子供に育てるためには、

・表現したいものとその方法は人それぞれなので、興味を持ちつつ催促しない。

・その子供の性格や表現したいものによって、かかる時間は全く違うと承知する。

・「表現する技術」は身につけた方がよいが、
 子供の場合はまず口、文章、絵、音楽、手で形をつくるなど、一番自然に上手にできていること
 を伝えるなどして、子供に自分の得意技を自覚させる。

・子供が主張したことは、まずは否定しないで受け取る。
 それによって、子供に表現することに慣れさせて自信をつけさせる。
 ご自身の体験を振り返ると、
 「それをさらに良くする意見」はほとんどの場合は不要だとご存知のはず。

・作って満足しているようであれば、そっとしておくのもあり。
 時期が来たら、主張をはじめる。
 経験し続けることが大切なので、
 本人がご機嫌であれば、その時が来るまで、環境を残しておいてあげたい。

・「わかりたい」のか「わかることをそれほど望んでいない」のか、
 正直な気持ちを子供が自分でわかるように促す。

 要は、
  1.やりたいことをさせる。

  2.言いたいことを聴くよ、という姿勢を示し続ける。

  3.表現された内容よりも、表現しようとしたことに関心を持つ。

  4.主張する経験を何度でも積ませる。自然に上手になる。

 「自己主張する」って、「わがままを言う」ことではなく、
 「自分のことを相手にわかってもらう」こと、
 「わかってもらえる、という信頼感を持つこと」なので、とても大切です。

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