今回は、学校の勉強のはなしです。
ロボット教室(ロボプロ)に来ている人の話を聴くと、
「学校の勉強は特に問題ない」という人から
「定期テストが毎回危ない」という人までいます。
学校の勉強とロボット教室を両立してもらいたいので、今回は勉強法を取り上げます。
[無料動画の紹介]
学校の勉強でわからないところがあったら、「インターネットの無料動画を見よう」の勧めです。
無料でも内容豊富なところ、有料と無料が半々のところなど、無料だけでもかなりのことを学べる印象でした。
有料のところの中には
インターネット上で家庭教師をスポット(単発)で頼めるところもありました。
選択肢が広いので、一度見てみてはいかがでしょうか。
学びラボのWebサイトに連絡先一覧をまとめたのでご覧ください。
どこがいいかは、相性があるので、ピンと来るところをお選びください。
( https://robot.core-infinity.jp/2019/12/e-learning/ )
速度を説明するときに『「はじき」の法則』を言っているところは、
すぐに忘れてしまうテクニックだけを教えているようで、
私は個人的にはあまり好ましく思えませんでした。
[使い方]
理解したいことを説明している動画を見ましょう。
学校の授業でわからなかったところをその日のうちに。
定期テスト前にもわからないところを。
動画を何度でも見ましょう。
自分に合わないと思ったら、別の動画を見ましょう。
その中で、わからないことを家族や先生など人間に質問しましょう。
インターネットの動画のいいところは、何回見てもいいことです。
もっといいことは、
馬鹿にされたり、
あきれられたりしないことです。
自分で感じをつかみたいのに、
人に聞くと「やり方」を教えられたり、
答えそのものを教えられたりします。
そうすると、やる気がスッとなくなります。
もしくは、「やり方(テクニック)を知っているとえらい。それだけでいい。その方が楽」と思ってしまいます。
それは、勉強ではありません。
小中学生のころは、勉強する考え方や勉強のやり方を身につける時期なので、
そんなお手軽なことでは役に立ちません。
知って損だとは言いませんが。
学校のテストでは必要だけれど、
自分がやりたいことにはあまり必要でないことは、
お手軽に済ませるのも方法です。
その代わり、「やりたいこと」「興味あること」にはガッツリいきましょう。
[わからないことがわからないとき]
自分がわかりたいことは何かを、家族や先生に
「何がわからないかを自分のことばにしようとする話し相手」になってくれるようお願いしましょう。
聞く立場の人は、
「答え」を言うのではなく、
教えようとするのでもなく、
「何がわからないと言おうとしているかを聞き出し」てあげてください。
それを知るための方法も、自分で考える方向に話を持って行って、聞き出してあげてください。
「自分がわからないこと」は、自分で絞っていくしかありません。
[そんなレベルではなくわからないとき]
4学年くらい戻って、もしくは小学校1年生からの教科書を読みましょう。
それくらい戻れば、わかることばかりで1冊に1時間もあれば読めるはずです。
そうやって、順番に学年を上げていき、
「わからないこと」が出てきたら、無料動画を見たり、家族や先生に質問しましょう。
それさえも大変そうに思うかもしれないけれど、
やってみたらおもしろくて、
けっこう簡単にできることです。
少なくとも、定期テスト前に点数を取るために計算のやり方やキーワードを覚えようとするよりも、
むちゃくちゃおもしろいです。
[人間と動画を使い分けよう]
「自分がわからないことを知る助けのため」に。
そして、「動画を見てわからなかったちょっとしたことを教えてもらうため」に、人間に質問しましょう。
「人に直接教えてもらわないとわからない」は嘘です。
自分で「自分がわからないことをわかっていない」だけのことです。
「自分がわからないことは何か」を、
誰かから教えてもらえることは絶対にありません。
知りたい、と思ったことを聞いたときに解説してくれる人は大勢います。
「何を知りたいか」は、自分しかわかりません。
「自分が知りたいこと」の「正解」はありません。
そして、それを「理解する」のは自分の責任です。
「なんで?」と質問し続けて、聞いた相手を問い詰めてはいけません。
自分で答えを探すのです。それが勉強する意味だし、楽しさです。
なお、「定期テストの範囲の内容がわからない」は、
「自分がわからないこと」ではありません。
授業時間と家に帰ってのち、
その日のうちに解決していなかったからです。それだけです。
[やる気を出させてほしい(家庭編)]
家庭教師や塾に期待することとして、
「やる気を出させてほしい」「尻を叩いてほしい」がありますが、無理です。
怒っても、
テストの点数が悪いことを責めても、
勉強机の椅子に縛り付けても、無理です。
定期テスト前だったら「やるしかないか」という空気になりますし、
受験前には「やらないと」となりますが、
それはやる気ではありません。
公立中学校の中には、定期テストを廃止した学校もあります。
その分小テストをたくさん実施して、
本当に理解しているか確認しているそうです。
あきらめる生徒が少なくなって、
学校全体の学力レベルも上がったそうです。
「やる気を出せる」環境を作ったのですね。
儀式としてのテスト、順位を出すための定期テストでは、
楽しくないですし、学びにもなりません。
もちろん、やる気を出せるはずがありません。
そうは言っても、今の学校には定期テストがあります。
ですので、それをどれだけ自分のために有効活用するか、
という視点に移していく必要があります。
そして、お願いがあります。
家族として、大人も一人一人が
「自分がやりたいことをやって、そのための勉強をしている姿を見せましょう。
この時も昔も、どうしていいかわからなくなった時があったはず。
その時の体験、解決策を語ってあげましょう。」
やる気を持って楽しそうに勉強しているする姿を見せることです。
もちろん、好きな小説を読むのでも構いません。
できたら小説の世界のことを少し調べたり、体験するのも素敵です。
[やる気を出させてほしい(本人編)]
もし、これを言っているのが本人ならば、これを伝えたい。
「知らないことを知るのはおもしろいね」
そして、
「今やりたいことに必要な知識や情報は何?
学校は年齢になったら強制的に行かせられていると思っているかもしれないけれど、
勉強するのも、やる気を出すのも、自分がやりたいことをやる自分のため。
やる気を出そうとしないで、
『やりたいこと』を考えよう。
ついでに言っておくと、算数・数学、国語、理科、社会、英語も、
教科書の内容を純粋に興味を持ったら、
むちゃくちゃおもしろいものだよ」
[ロボット教室は・・・・]
体験会でお伝えしていますが、
「遊ばせてもらうところ」
「テキスト通りに作ったら動かして遊べるロボットができるところ」ではありません。
「ロボットを作りたい」が「やりたいこと」。
そのために、自分で計算したり、
勉強したり、
試行錯誤をしたり、
ロボットにプログラムを入れてテストしてみる場所です。
自分の興味のレベルに合わせて取り組む場所です。
そうじゃないと、もったいない。
私は考えます。
正解を回答できるのは大事です。
けれど、疑問や興味を持つこと、
それについて調べて知ろうとして試してみることがもっと大事です。
だから、「わからん。何やったらいいの?」に対しては、
「テキストのここを読んでみ?読んだ?
古田先生はこんなことを言っているよ。
それに、君が何をしたいかって、わかるはずがない。
もし、僕が答えたら、その通りにするか?」です。
以前そう言ったら、苦笑されました。
[改めてインターネットの無料動画を活用しましょう]
10年前には、こんなに無料で学べるところはありませんでした。
使えるものはどんどん使いましょう。
今回紹介した動画以外にも、
小中高校生向けに、単元ごとに解説しているWebサイトがたくさんあります。
いい時代になったものです。
スマートスピーカーに答えさせる小学生がいる、という噂話を聞くと、
便利にするばかりではなく、
社会をきちんと設計しないといけないと思いますが。
ロボット教室を開いている立場からすると、
「無料」でレベルが高いことをされると困ってしまいますが、
各家庭の教育費の割合が高すぎるのは問題だと考えています。
最低限のことを学ぶのには、無料かもしくはとても安い金額であるべきです。
そのために大事なのが、
「勉強をおもしろがる」
「やりたいことに取り組む」
「そのために必要な勉強することを自分で見つける」ことです。
子供たちは手を抜いて簡単に正解を手に入れようとしがちです。
でも、その領域にはAIがあります。
仕事になりません。
ですから、自分でテーマを考えられるようになることが大事なのです。
「勉強をおもしろがる」、
そのために「インターネットの無料動画」を使ってもらえれば、と思っています。
その上で、
ちょっとした「わからないこと」をロボット教室の授業の前後に、
私に質問してもらう分にはOKです。
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