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【大学でロボットを作る、ロボット教室で学ぶ】

category : コラム, 勉強する 2022.4.27 
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[4月に発送した便りです]

 学びラボ ロボット教室の生徒はみんな知っているけれど、はじめたての人や来ていない人が知らないことは、
●「学ぶ」とは、教えてもらうことではなくて、自分から理解しに行くこと。

●ロボットを作るときにやっていること。
①テキストにはロボット作りのすべてが書いてあるのでじっくり読む。
②順番に考えて、一つ一つ試して、自分の知識や能力を積み重ねていく。ロボットの動きの順番も考える。「適当に」では作れない。
③式を計算することが苦手でも逃げない。国語、算数・数学、物理(理科)が必要。
④簡単にできることだけをやっていないで、少し難しそう・面倒そうに見えて避けていたことにチャレンジする。楽しむ。

【大学でロボットを作る、ロボット教室で学ぶ】

 ロボプロ全国大会もあるので、キミたちの今の年齢でもオリジナルのロボットを作ってもいいけれど、「大学でロボットを作る」といったほうがイメージしやすいでしょうから、ここでは「大学で」と書きます。
 「ロボット教室」と言ってもいろいろあるけれど、ここではパソコンでプログラミングをする「学びラボ ロボット教室(ロボプロコース)」を指します。

 ロボット教室で学ぶことを、大学からさかのぼって考えてみましょう。
●「大学で」
 どんなロボットをどのように作るかを決めるのは、自分です。(研究室やロボ部だと、課題が与えられますが、教科書のように全国の生徒が同じ問題に取り組むことはありません。)
 大学の研究結果は誰も正解を知らないので、誰からも正解を教えてもらえません。どんなロボットを作るか決めるのは自分なので当然です。
 ではどうするかというと、高校までや大学の授業で物理法則や数学などの基礎的なこと、確実なことを学び、それ以上のことはほかの研究者の本や論文を読み、直接話を聴きに行きます。この両方が、「勉強する」ということです。
 大学でロボットを作るということは、自分で勉強してイメージを現実の形にしていくことです。

●「ロボット教室で」
 ロボット教室に、もしかしてとてつもない大きい期待をしてもらっていたら申し訳ないのだけれど、ロボプロを3年間やったとしても、「基礎を学んで、使える道具を身に付け、大学でロボット作りをできる入り口に立てた」というレベルです。もっと試行錯誤をして学ぶ必要があります。でもそれを、誇ってください。
 ロボット教室に来ていない人は、ロボットを学べる大学に合格したとしても「道具」は使えるようになっていません。キミたちの方が何歩も先に行っています。
 道具とは、基礎的な知識のほか、勉強の仕方、勉強するポイントを知る方法です。

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 小学校1年生から学校で勉強をしてきて、「勉強するってこういうこと」と信じていることがあるでしょうが、勉強をおもしろくないと思っているなら、その信じていることは間違いです。捨ててください。
 もちろん、定期テストで満点を目指したいし、入試を受けたら合格したいです。それに特化した勉強も必要です。それはよくわかります。
 でもそれが勉強の目的やゴールではありません。上の学年やまだやっていない教科書の部分があるのですから、満点を取ったとしても次に学ぶことが押し寄せてきます。点数を取れなかったら、自尊心が削られていくし、孤独を感じるし、苦しいばかりです。間違ったところを指摘されたり叱られても、どうしようもありません。
 そんなことを強制する人たちはひどい人たちです。・・・・でも、そうではないはずです。「勉強」はそんなことではないのです。

 キミたちが知っておいた方がいいことがあります。(厳密には例外もあるし、「正しい」とされていることが間違っていたこともあるので、あくまでも大枠の話です)
 大学では、高校の延長のような授業もあり、試験の点数で成績がつきます。けれどそれらはゴールではなくて、その先のためのものです。
 大学では正解を探していくのが目的なので、誰も正解を知りません。正解がわかっていることは誰かが解決した終わったことです。キミたちがやるのは正解例を持って来て動作確認することではなくて、探していくことです。
 大学でキミたちが問われるのは、
  「何をやりたいの?」
  「どんなことを自力で努力してやってきたの?」
  「僕も答えを知らないけれど、どんな助けが必要?」

 です。

 今、キミたちが学校や塾でやっていることは、このための基礎を身に付けるための勉強です。例えば、英語を使う国で勉強するには、勉強を進められるレベルの英語力が必要です。この場合は、読み書きできる力や議論できる英語力が「基礎」です。
 キミたちの今の勉強方法が正しいか、私はわからないけれど、「何を」「どの程度のレベルまで」勉強するか、キミがわかっている必要があります。それがわかれば、何を勉強するかと、勉強方法は決まってきます。
 学力レベルは学校も塾も点数で把握しているだろうけれど、「自分が何をやりたいか?」「そのために何を勉強するか?」は、キミしかわからないのだから、キミが考えて、キミが決めなきゃダメです。一旦決めても、「ちょっと違うな」と感じたら変えたらいいのだし。
 お父さんもお母さんも先生も、基本的にはキミのことを応援しているし、最後まで味方でいてくれるから、その点は安心して。
 その代わり、何度も書くけれど、キミのことを一番考えて、決めるのはキミじゃないとダメだ。誰かに決めてもらって従っているだけではダメ。

 ここでも質問されるのはこの3つ。
  「何をやりたいの?」
  「どんなことを自力で努力してやってきたの?」
  「僕も答えを知らないけれど、どんな助けが必要?」

 考えるとか、決めるとかいうのは、これらのキミの答えを出して伝えることです。

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 ロボット教室では、ロボット作りの知識や技術を教えます。テキストや見本プログラムに書いています。味わい尽くしてください。
 その上で、私がキミたちに体験してもらおうとしているのは、「大学で学ぶ時の考え方(思考法)を学んで、練習する」ことです。
 だから、ロボプロのテキストを、プラモデルの組み立て説明書と同様に考えていたらもったいないです。ロボット教室に通う必要はありません。
 テキストを読んでやってみて、アイディアを加えてやってみて、私とあーだこーだと話しをしたら、授業料の価値が出てくることになるでしょう。


 現在学びラボ ロボット教室に在籍している生徒のキミたちには教室やこの便りで伝えていることだから、知っていてくれることと願います。
 体験会で「本気のロボット教室」としてこのようなことを言うと、尻込みする人もいれば、軽く聞き流す人もいます。体験会の2時間だけで伝えるのは難しいですね。

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 これまでの話の流れで、よくある話をします。
 ときどきこういった生徒さんがいます。何人もいます。
 「何がわからないか、わからない」
 それを具体化して言ってもらわないと、私としては何もできないのですが、もしかしたら、のレベルですがこのようなポイントがあると思われます。言い換えます。

  「自分が何をやりたいかがわからない」
  「テキストを書いた人が、なぜこの章をここに書いたかがわからない」

①「自分が何をやりたいかがわからない」
 キミが何をやりたいかは、残念ながら誰にもわかりません。説明できるようにチャレンジしてください。でももしかすると、こういうことかも。
 自分がやりたいロボットの動きを最後の完成形しか想像できず、動きやプログラミングを最小の単位(ひとかたまり)、ステップに分解しようとしない。できていない。
 もしくは、最小のひとまとまりやステップを考えることを避けている。書いてある通りにやればいいとだけ考えていて、自分で考え出す発想がない。
 はたまた、テキストに課題として書かれている完成形(ゴールの姿)を想像できていないのかもしれません。

 もし、心当たりがあったら、これを知っただけで半歩でも前に進めますね。
 課題が何かわかれば、解決法が見つかります。そういうものです。

②「テキストを書いた人が、なぜこの章をここに書いたかがわからない」
 テキストは、1日分ずつ渡しています。
 その日の分のテキスト全体、章のひとかたまりは、テキストを書いた人が伝えたいこと、やらせたいことです。
 さらっと読んだだけで終わらせる人もいますが、ロボットの組み立て方のページだけではなく、プログラムのコマンドを説明しているページにも書かれた意図があります。

 テキストの一言一句を完全に理解できなくても、何について書いてあるか、自分が後で使えるようにしておきたいですね。

 そして、①②ともに、わからなかったり、困ったことがあれば、
  「何をやりたいの?」
  「どんなことを自力で努力してやってきたの?」
  「答えを知らないけれど、どんな助けが必要?」

 のポイントで伝えてくれたらいいのです。

 わからない、というよりも、その発想がないので考えていなかったのだと想像します。「勉強するとは何か?」「考えるとは何か?」がわかっていないなど。
 (どんな人も、本人が自分から気づかないと、今の見方、考え方から1mmも動いてくれないものだから・・・だから、ここまで書いたことに気づいてほしい)

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 ロボット教室で学ぶことは、
  ・ロボットの基本的知識や技術(自分に足りなくて、これから練習する必要があることが何かを知ることも)
  ・目的を持って学ぶ練習
  ・助けてもらいたい人に協力してもらう練習
  ・キミが発想したロボットを作りあげる経験

 です。
 キミの学びに思春期は関係ありません。「恥ずかしい」なんて思いは、家に置いてきましょう。

(学びラボ 若狭 喜弘)

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