[12月に発送した便りです]
学びラボ ロボット教室の生徒はみんな知っているけれど、はじめたての人や来ていない人が知らないことは、
●「学ぶ」とは、教えてもらうことではなくて、自分から理解しに行くこと。
●ロボットを作るときにやっていること。
①テキストにはロボット作りのすべてが書いてあるのでじっくり読む。
②順番に考えて、一つ一つ試して、自分の知識や能力を積み重ねていく。ロボットの動きの順番も考える。「適当に」では作れない。
③式を計算することが苦手でも逃げない。国語、算数・数学、物理(理科)が必要。
④簡単にできることだけをやっていないで、少し難しそう・面倒そうに見えて避けていたことにチャレンジする。楽しむ。
【やりたいことを必死にやる】
「やりたいこと」をやろう。「やりたいこと」だったら真剣にやろう。「やりたいこと」をしないと、身につかないし、結局何もできないよ、と言っています。
芸能人のタモリさんも、「遊びなんだからもっと真剣にしようよ」と言っています。
「やりたいこと」がロボット作りだったら、ロボットのことを考えたり、テキストから自分に必要なことを盗ってやろうと読んだり、必要なことを勉強したりなど、なんでもしたらいいのです。
今回は、「やりたいことをやる」というのは、こういうことだという話をします。
[ロボット教室にて]
でも、この「やりたいこと」ってどういうことかが伝わっていないと感じています。
学びラボ ロボット教室(ロボプロコース)のテキストには、大きく分けて「組み立て方」と「プログラミング」について書いてあります。
人それぞれのペースがあるので「たった一つの正しい方法」はありません。
どちらが得意でも不得意でも、コツコツ型の人でも天才型の人でも、ちょっと変だと思ったら、前後をじっくり読んでいます。読む前、やってみる前から「やらない」と決めることはありません。
私は「テキスト至上主義」ではありません。苦手分野で手が止まっているようなら、すべての内容や設問を完璧に回答するようには言わず、「答えのプログラムを見比べて、何が違う?」という学び方を勧めることもあります。
ロボット作りが本当に「やりたいこと」だったら、それで十分なはずなのですが、
「やりたいこと」のニュアンスが、「自分が今の能力でできることを、頭を使わずにチョチョッとやって完成するもの」「形ができて、リモコンで動かせたら十分」と思っている人がいるようにときどき感じます。
百歩譲ってロボット教室はそれでもかまわないのですが、いまは子どもでも自分の人生なんだから、本当にやりたいことにはもっと必死にならないといけないよ、と伝えたかったのでした。
ロボット以外のほかの「やりたいこと」だと、次の通りになかなかできませんが、ロボット教室は「やりたいことをうまくいくまでの練習を経験する」とてもいい場所です。今、ほかの人に比べて恵まれた環境にいることを生かさないと。
うまくいかない~試行錯誤~調べる~条件を整理してやってみる
~試してみる~本番で実行~不具合があったら修正~実行~
これが、「練習を経験する」ということです。「めんどくさ」と思って手も頭も動かないなら、それは「やりたいこと」ではありません。プロで仕事をしている人は、「めんどくさ」とつぶやいても、うまくいくまで考えて実行しています。
ロボット作りが本当にやりたいことかわからない、というのであれば、少なくとも興味を持って入会してもらっているのですから、例えば「1年間、本気でロボット作りをやってみる」というお試しでもいいですね。
なお、「技術や知識がないから、今できない」という理由で、「やりたいことではない」という発想は間違いです。
「できる」、「できない」ではなくて、「できるようになる」です。
[やりたいことを必死にやった体験①]
私の「やりたいことを必死にやる」という体験を記します。何度か書いていますので、ご存じでしたら、読み飛ばしてください。
学びラボ ロボット教室をはじめる前、ヒューマンアカデミーにロボプロコースが開設された2015年から、別の教室で講師をしていました。その時の話です。
生徒のみんなに十分な体験と理解をしてもらうために、準備に時間をかけました。
テキストをすべて読んで、ロボットの組み立てとプログラミングを全部やりました。
プログラムとしては正しくても、ロボットが正しく動くかどうかわからないので、実際にすべて試しています。
これをすると、毎回2時間の授業の準備に2時間~4時間かかっていました。
さらに、テキストの説明が足らないところや間違いは、追加テキストを作りました。
私の「やりたいこと」が、『ロボット教室で、生徒が自分で考えて、考える経験を重ねていく。その教材が、中学生に合ったレベルで、本気で学びたい生徒のためのロボットとプログラミング』でした。ぴったりの教材だったので、本当に必死でした。
[やりたいことを必死にやった体験②]
もう一つ、私の「やりたいことを必死にやる」体験談です。
先週は、ロボット教室を含めた全体のホームページ(Core-Infinity.jp)のアップデートをしていました。
書いてある文章を新しくするのは難しくありません。文章や書く内容をよく考えるのは、大変ではあるけれど。
今回は、ホームページのシステムのアップデートです。究極の失敗をしたら、
「データが全部消える」
「検索で訪問してもらっても画面が表示できない」
「データの編集画面に入れなくなる」
などといった、とても恐ろしいことになります。
これ以上の詳細はここでは省略します。noteで詳細を追加して公開します。
ホームページ作りや今回のようなシステム作りやアップデートが得意か得意でないかと問われたら、不得意です。
完成品を分析して、使いやすくする方が得意です。
でも、誰かに頼むにしても、実現可能な注文か、不可能な注文か知るためにまずは自分でやってみるし、やってみたらそこそこ動くので、人に頼まないでやっています。これが自分のやり方です。
これはホームページだけではなく、要望を伝えても理解できない人や勝手に解釈する人がいるので、いつもだいたいこのようなやり方です。
自分で作っていくので、「やりたいこと」だし「必死」です。
[「やりたいことをやる」とは?]
「やりたいことをやる」というのは、こういうことです。もちろん、仲間と「やりたいことをやる」という道もあります。それでも、自分の実力を上げておく必要があります。
「今できない」という理由で、「やりたいことではない」、という発想は間違いです。
「できる」、「できない」ではなくて、「できるようになる」です。
と中ほどに書きましたが、イメージできたならうれしく思います。
さらに「やりたいこと」は、自分のセンサーに引っかかったら何でもすべてやってみるしかないです。
そこで、「失敗したくない」「これからする努力を無駄にしたくない」からって、「何かいいことないかなあ。やる気になるまで動画を見たりゲームしよう」と考えるのが、今どきの「コスパ(コストパフォーマンス)」「タイパ(タイムパフォーマンス)」らしいです。でもそれは、人には自分の一生分しか時間が無いので、自分の人生の「コスパ」「タイパ」を悪くする発想です。
親とか先生とかに、「自分がやりたいこと」を与えてもらえるのを待っているのは間違いです。「やりたいこと」は、自分で見つけて自分でやらにゃあ。
もし、自分が社長になったら、社員の中に「やりたいこと」をやっている人にはどんな仕事を頼んで、給料をいくら払うでしょうか?ひな鳥のように「やりたいこと」を与えてもらえるのを待っている人にはどうでしょうか?
「やりたいこと」に自分から取り組んでいた方が、実際に「やりたいこと」をできます。自由でいられます。
ここまで、はじめる段階のことを中心に書いてきました。
でも、「自分がやった結果の責任を持って、どれだけささやかでも下手でも完成させる」のが、「やりたいことをやる」ということです。すごい機能は、それをもとに工夫や改良したらできるので、安心してください。
ロボット教室などでの完成体験や、いろいろ考えたことは、「自分の生きる力」になります。
(学びラボ 若狭 喜弘)
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