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【「自由に考える」を考える】

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[8月に発送した便りです]

 学びラボ ロボット教室の生徒はみんな知っているけれど、はじめたての人や来ていない人が知らないことは、
●「学ぶ」とは、教えてもらうことではなくて、自分から理解しに行くこと。

●ロボットを作るときにやっていること。
①テキストにはロボット作りのすべてが書いてあるのでじっくり読む。
②順番に考えて、一つ一つ試して、自分の知識や能力を積み重ねていく。ロボットの動きの順番も考える。「適当に」では作れない。
③式を計算することが苦手でも逃げない。国語、算数・数学、物理(理科)が必要。
④簡単にできることだけをやっていないで、少し難しそう・面倒そうに見えて避けていたことにチャレンジする。楽しむ。

【「自由に考える」を考える】
 うちのロボット教室「ロボプロコース」は、「自由に考える」を経験する場にしてもらいたいなあ、と願っています。
 人間の心理として、「自由に考えろよ」と言われて考えられることは希です。その場で、普段から「勝手に」考えていたアイディアを話すことはできるでしょうけれど。

 「自由に考えよう」って、あちこちでよく聞きます。夏休みの宿題「自由研究」も、そう言われて困った経験があります。
 一方では、周りから見た視点ですが、自由に考えて作品を作って出す人もいます。
 「優秀な人は自分とは違う」と結論付けがちですが、本当でしょうか?
 「自由に考える」こと自体は誰にでもできるし、やっていいことです。

 優秀な人とは違っても、「僕でもできる『自由に考える』」を考えてみましょう。

※言い訳:ロボプロコースに来ている人の中には女の子もいるので、「僕でも私でもできる~~~」としてもいいけれど、フェアなようでいて、「キミだよ」という直接語りかけている感じが薄れるので、「僕でもできる~~~」とします。「私でもできる~~~」がぴったりと感覚がハマる人は読み替えてください。

1.なぜ「自由に考える」をできないか?
 理由を考えてみましょう。
[自分が原因(考え編)]
・本気でおもしろがっていない。
・わかっていないから。わかっていないのにわかっているふりをしているだけだから。
・考えついても、すぐに「これじゃない」と判断する。
・失敗したくない。
・「自由に考え」たことがない人はいない。けれど、考えることを止めた人はいる。
・「自由に考え」てアイディアを出した経験が少ない。
・「これが自分のやり方だから、やり方をつべこべ言わないで」と言えない。

[自分が原因(行動編)]
・「自由に考える」方法を知らない。
・「自由に考える」ために必要な知識や技術が足りない。
・「自由に考え」た後に実現するために必要な知識や技術を知らない。
・最後までやり切った経験がない。少ない。そのため、必要な知識や技術をわからない。自信がない。
・必要な知識や技術が何かを調べようとしていない。

[周りが原因](「○○」には、影響力が大きい個人名が入ります)
・考えたこと、やったことを○○に否定されてばかり。
・○○が、OKと許すものしか認められていない。
・考えたことやそれを実行している途中で、自分の考えを整理するための話し相手がいない。(否定されない。指示されない。○○以外の人を探そう)
・失敗したときに笑われた。

 小さい子供って、好奇心旺盛ですから「自由に考える」というか「勝手にやっちゃう」ものですよね。
 それがいろいろな経験をして成長し、「自由に考え」なくなることが不思議です。

 理由はいろいろありますが、少なくとも、安全でないところでは「自由に考え」なくなります。
 これは子供だけではなく大人もそうです。
 自分の意見を言わないで、一人で悲しんだり、怒ったりしている人、「仕方ない」と言っている人は「自由に考え」ていません。

 自分にとってどれが原因かわかっていないから、「自由に考え」られないのかも。
 原因がわかれば、変えることができます。

2.おもしろがっていないときにやっていること、おもしろがっているときにやっていること
[おもしろがっていないときにやっていること]
・いつものパターンだけをする。
・面倒と感じることをしない。
・はじめてのことをしない。
・他人にやらせようとする。

[おもしろがっているときにやっていること]
・周りの人や物を見て、インスピレーションを得る。
・調べたり、勉強したりする。
・一緒にやったらおもしろそうな人を誘う。
・おもしろがってくれるタイプの人に話してみる。

 「おもしろがった」方が、おもしろく生きられそうでしょ?
 自分がおもしろがって考えたいことは、ほかの人にわからないので、自分で突き詰めてもいいし、おもしろがってくれる人に話してみて新しい視点を見つけ出すのもありです。

3.ところで、「自由に考える」ってどういうこと?
 「自由に考えよう!」と心に決めて、気合を入れても、自由に考えることはできません。逆に何も思いつかなくなってしまいます。
 一番大事なのは「おもしろがる」ことなのだけれど、「自由に考えよう!」への答えが「おもしろがる」では許されないので、具体的に考えます。
 (「おもしろがる」でできる人は、先に進みましょう)

 「自由に考える」ときにすることは、次のようなものです。
・今ある結果と少し違った結果を考える。(おもしろそうなもの。その次にやることのために必要なことは何?)
・組み合わせる。(素材、道具、結果など)
・最後にどうなるかわからないまま、手を動かしてはじめる。(レゴブロックではありそう)
・素朴な疑問を大事にする。(「そんなの当たり前」と考えない)
・思いついたアイディアを、その場で判断しないで全部出す。
・一緒にやったらおもしろそうな人を誘う。
・おもしろがってくれるタイプの人に話してみる。

4.「自由に考える」と「何でもかんでも質問する」の違い
 「小さい子供」で思い出したことがあります。
 小さい子供は、何でもかんでも興味を持って質問します。年上のきょうだいや親、祖父母は答えます。
 「質問する」が「自由に考える」ではないですよ。「おもしろがる」という意味ではとても近いのですが。
 質問されて、答えきれないことが出てきます。その時はどうするか?「一緒に調べる」「調べ方を教える」「知っていそうな人を一緒に探す」です。これをやってくれる大人は少ないですね。辞書や百科事典でいいのです。大人が代わりにやったり、「そんなもの知らない」と言うのは良くないですね。
 この「興味を持ったことを自分の力解決した」という経験が少ないと、「自由に考える」ことを苦手に感じるようです。
 今からでも遅くありません。「興味を持ったことを自分の力解決した」経験を重ねていきましょう。

 うちのロボット教室「ロボプロコース」には、ロボット作りについてのいろいろを揃えているつもりです。ロボットづくり以外のことにも「自由に考える」きっかけになることがあちこちにあります。
 「自分に必要なこれが足りていない」というのがあれば教えてください。できる範囲で協力します。一緒におもしろがっていきましょう。

(学びラボ 若狭 喜弘)

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