[10月に発送した便りです]
「ロボットやプログラミングなら自分にできそうな気がする。おもしろそう」
「思い通りに、ロボットを動かせるようになりたい」
と、はじめたころの自分を思い出しましょう。
そして、何を経験してきたか、いま何をどれだけできるようになったか、指折り数えて自信を持ちましょう。
【反抗期はツンデレ期?】
「ロボットとは、自分(人間)が考えた動きを上手によい加減で動くようにプログラミングした機械」です。
だから、プログラミングの「正解」は、自分が決めたらいいのです。
「ツンデレ」とは、アニメやゲームの登場人物の性格に設定されます。顔を合わせた時や外ではツンツンと、話を聴いていないフリをしたり反抗的な振る舞いをしている。けれど、本心は嫌っているわけではなく、むしろ大好きで、一人になったときや知り合いがいないところではデレデレとなっているというものです。
これが、第二反抗期に似てるなあ、と思ったのです。
学びラボ ロボット教室に通ってきてくれている人たちは、ちょうど第二反抗期かその前後の年齢です。
当然のことですが、他人の迷惑になる行動をほめたり勧めたりしているわけではありません。
私の中学生時代は、校舎の窓ガラスが割られていたり、これは一度だけですが他中学の生徒が何人か校門に集まっていた記憶があります。先生に反抗してかかわってもらいたかったり、自分の力でどこまでいけるのか試していたのでしょう。
中学生ごろの第二反抗期は、口数が少なくなる傾向もあります。いろいろ考えたり、悩んだり、そういったことに口出しされたり、反論できない道徳的に正しいことを言われて否定されたくないという思いからでしょう。
でもね。そうされた大人の側は困ります。「構って欲しいのだったら構いに行く。希望があってかなえられることであればかなえてやりたい。迷っていること、困っていることがあったら解決してやりたい。」と思っています。
※ここで「解決してやりたい」は、やりすぎ、深入りしすぎです。「自分で解決策を探して行動できるように、考えを聴く」くらいにとどめておきましょう。本当は信用しているのだから。そして、失敗は経験に生きてきます。
もっと大きくなってからの失敗だと、大金が必要だったり、社会的制裁を受けなきゃならくなったり、助けてあげたくてもできなくなります。
失敗経験は大事です。本人も失敗したくない、うまくいきたいと思っているはずなので、任せておいても大丈夫です。
ただし、本人が上手に隠している可能性もありますが、失敗して悔しがっていないようなら、「結果はこれからどのようにでも変えていけるけれど、『取り組みは本気だったか?』」を聴いてあげてください。
その時に困るのは、子供が「自分が困っている状況」も「自分が望むこと」も話してくれないことです。それがわからないと何もしてあげられません。想像し、おもんぱかって何かしてあげても、本当に望まれている行動ではありません。そして、大人が自分にとって望んでいることをしてくれなかったら、子供が落胆した顔をして終わります。わかる訳がないのに、結果だけを見て評価します。
第一反抗期のころだったらこのようなセリフがあったでしょうか。「どうして、僕がおなかいっぱいなのわからないの?」「イヤと言っていても、本当はやるの」。
ここまで考えると、反抗期は子供が「ことばで伝えないとわかってもらえない」ことを体感する時期と言っていいでしょうか。
第二反抗期を「ツンデレ」で説明すると、「困っていることや望んでいることを言わずにわかってもらいたい。だって自分から言って知らせるのは恥ずかしいから。ここまでしかできないけれど、自分にとって最適な結果を得たい」となります。
大人も、通ってきた道なので、こういった気持ちの揺れは理解できます。でも、まず最初の困っている状況や望みがわかりません。超能力で他人の気持ちが読み取れるわけじゃないので。今これを読んでいるのが第二反抗期の人だったとしても、「まずは話して」と願うのは理解してもらえるでしょう。本当に、まずは教えてほしいのです。
第二反抗期の人の言い分もわかります。自分の領土にドスドスと土足で入ってこられて、勝手に悩みを取り上げて、独自解釈した上で、自分の意見をドヤ顔で押し付けて、自分の代わりに決めて、解決したような顔をして帰っていかれるのは腹立たしいことでしょう。でも、これは大人同士でも同じことをする人がいるので、困っているのは子供だけではありません。「親切な人」という評価をされることもあるのです。困ったことです。
相手の人に、自分の領土に土足で入ってこられるのはよくないことです。そうさせないために、拒絶するのでも、ツンデレするのでもなく、適切な相手に、自分が困っている状況と望むことを話すことです。自分を守ることにもなるのでお勧めです。(「踏み込まれたくない自分の領土を守る」のは、とても大事です)
以上、「間違いを経験にできているな」とか、「この遊び方なら理解しているからOK」とか、「自分で1mmも考えもしないで『わからん』と言っているな」とか、「わかっていないのに、問題がなかったかのようにごまかして振る舞っているな」とか思いながらみんなの様子を観察して見守っている学びラボ ロボット教室主宰の若狭でした。
ロボット教室に通って来ている範囲のことに限れば、尊重を第一に考えているので、おそらく希望に最も近いサポートをしてあげられるはずです。正直に必要なことを話してください。
(学びラボ 若狭 喜弘)
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