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【チャットGPTの時代のみんなの仕事は?】

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[7月に発送した便りです]

 学びラボ ロボット教室の生徒はみんな知っているけれど、はじめたての人や来ていない人が知らないことは、
●「学ぶ」とは、教えてもらうことではなくて、自分から理解しに行くこと。

●ロボットを作るときにやっていること。
①テキストにはロボット作りのすべてが書いてあるのでじっくり読む。
②順番に考えて、一つ一つ試して、自分の知識や能力を積み重ねていく。ロボットの動きの順番も考える。「適当に」では作れない。
③式を計算することが苦手でも逃げない。国語、算数・数学、物理(理科)が必要。
④簡単にできることだけをやっていないで、少し難しそう・面倒そうに見えて避けていたことにチャレンジする。楽しむ。

【チャットGPTの時代のみんなの仕事は?】
 今回は、あえて「僕は」と書きます。
 僕は、ロボット教室に来てくれている人たちに、「学ぶ」と自分で決めてほしいと思ってこれまで書いてきました。

 「学校の宿題を自主的にやりなさい」などと言うつもりはありません。自分にとって必要なレベルのことを必要なだけやったらいいだけです。「自主的」は自主的なものだから。
 10代までは、小学校受験・中学校受験をした人はいても、自分で学校に行きたいと望んだわけではないので、どうしても受け身です。
 「学ぶ」「勉強」というと、「学校」「宿題」「テスト」のことばがすぐ出てきますが、もっともっと広いものです。

 義務教育レベルの内容すべては、15歳までに完全に身につけるのは当然のこととして、自分がおもしろいと感じたことは遠慮しないで突き進んでほしいのです。
 それが、「学ぶ」「考える」ということです。

 当たり前のことを書いていますが、これから書くことは、ロボット教室に来ている人くらいじゃないと理解できないのじゃないか、とも感じます。
 もちろん、「学ぶ」「考える」が大事ということは変わりません。

 ロボット教室に来ている人たちが就職を考える頃には[実際には2,3年後には]、社会が変わっています。
 近年、チャットGPT(生成系AI)やロボットが身近なものになってきました。
※今はまだAIもロボットも発展途上です。ここでは「理想のAIやロボット」を想定します。

 「言われたことを、やり方を教えてもらってやる」仕事は、AIやロボットの仕事になります。
 「楽になる」のはいいのですが、「考えてこなかった人」がやっていたこういった仕事は、AIやロボットの仕事になって、仕事や収入がなくなります。
 「AIやロボットと関係ない仕事」がないか考えましたが、思いつきませんでした。農林漁業、工事現場、学校、病院、老人介護、障害がある人の仕事、スポーツ選手、棋士、音楽家など、今まで使わないできたものも、これからは使うことが前提になるでしょう。
 それと同時に、「お世話する」ではなく、「自分の能力を高める」「障害ではない部分の価値を高める」などへの発想の転換が起こるでしょう。

 そうなると、「AIやロボットに指示したり、一緒に仕事ができる人」「AIやロボットから指示された仕事をする人」に分かれることになります。
 後者も不幸せにはなりません。人間が指示を出すと、「ブラック企業」だったり、「パワハラ」をしたりしますが、AI上司は、休みを配慮しながら最大限能力を引き出してくれるので、幸せになれる可能性もあります。
 「AIを使える人」「AIに指示される人」の、どちらでも自分に適した仕事が見つかれば幸いです。
 いったんどちらかを選んだとしても、今でも自分に適した仕事や生活を手に入れるために転職する人がいますので、AIやロボットが普通にある社会になっても、自分が望む仕事を選ぶことはできるでしょう。
※「新入社員教育をどうするか」も課題になってきます。「AIを使える人(職)」はキャリアアップしていき、「AIに指示される人(職)」は契約社員型になるかも。だとしたら、仕事に必要な知識や技術は、職場で教えてもらうのではなく、自分で学びに行かないといけないかも。

 その時に大事なのが、『自分に質問を問いかける力』です。
 「自分は何をやりたいか?」
 「どうやったらなれるか」
 「自分ができることは何か?」
 「何を身につけたらなれるか?」
 「どうやって身につけていくか?」

 「学ぶ」「考える」そのものです。
 「責任を持ってやる」という、「責任感」「実行力」も必要です。そのためには、「自分への信頼」も必要です。

 2台のAIが人間が理解できないことばで会話をはじめたと聞いたことがあります。人間をはじめとした生命の進化ではないにしても、何らかの進化をしていくことでしょう。その時に、人間が生き残るためのことを配慮してくれるかはわかりません。本当に危険ならコンセントを抜けばよい、のかも知れませんが。
※AIへの批判で、「今のAIは、単語の次のことばは何が適切か判断しているだけ」とも言われますが、一例では日本人の「忖度」とほとんど同じかも。滑らかに上手に話す人を信頼する風潮もあるので、AIの方が信頼されるかも。

 人間と「AIやロボット」は、できること・考える範囲が違うので、人間が望む結果を出すには人間が「適切な質問をする」こと、「情報の範囲と使ってはいけない情報を指示する」ことが必要です。
 AIは、もっともらしく答えるのが得意なので、人間には「答えを判断する」力も必要です。
 これが、人間に求められる能力です。

 「そんなん無理!」という声が聴こえてきそうです。

 今は無理でも、そのために勉強するのです。自分がやりたいことをやって、考えて、突き詰めていくのです。
※このように書くと、「資格」とか「専門学校に行く」と発想する人がいます。それも悪くないですが、大学でも、独学でも、勉強したらいいのです。勉強は、「誰かが決めた合格基準を超える」ためだけではありません。他人が決めるのじゃありません。自分が決めるのです。

 そうすると、「自分がわからないこと」に気づき、「適切な質問」がわかり、「AIに一緒に考えてほしいことを質問」できるようになるのです。
 自分が一所懸命にやっていないのに、自分が欲しい結果を手にすることはできません。
 AIの答えを丸写しするのではなくて、自分の考えの参考にするのです。

 今すぐにできるなんて誰も期待していません。
 自分の人生だから、「自分が理想とするイメージ」を持って、やりたいことをやって、考えて、突き詰めていくのです。
 すぐにできない、わからないからってあきらめたり捨てたりするのではなく、やりたいことのために練習や勉強を続けましょう。
 そこまでやって、自分に合っているかどうかわかります。「自分に合わないことは止めて次のことをする」のは、ここまでやってからの話です。
 少しの練習も工夫も勉強もしないでできることは、ほとんどありません。
 道のりが長すぎるとつらくて気持ちが切れそうになりますし、完璧を求めたらいつまで経っても何もできません。「勉強して、練習して、使って」を繰り返していきましょう。周りの人は「失敗」と はやし立てるかもしれませんが、うまくいかなかったことを経験にして、どんどん改良していけばいいのです。
 当たり前のことですが、教科書の内容はすべての基本です。全部役立つから勉強しましょう。やりたいことと関連付けていくのは自分の仕事です。教えてくれる人の責任ではありません。不得意なものを捨てるのではなく、工夫するのです。

 僕の願いは、ロボットの技術を身につけることを通して、やりたいこと実現するために「(自分らしい)工夫のやり方」を発見して身につけてくれることです。

 近年、新型コロナウイルスで人の動きが止まり、円安で値段が上がり、海外から働きに来る魅力が下がりました。日本社会が随分変わりました。AIやロボットでさらに変わります。
 これから、どういう社会になるでしょうか?どういう社会が創れるでしょうか?
 僕もみんなも、考えて、自分の責任を持って、行動していくしかありません。

(学びラボ 若狭 喜弘)

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