中学生のための進路相談

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 中学生のための進路相談のひとまず最終回です。
 ロボット教室には小学校高学年〜中学生が通ってきてくれているので、入試は避けて通れません。
 特にC言語でプログラミングをするロボット教室に通ってくる人には学校の成績が良い人が多く、受験時に力を発揮できるように、本人、家族の方と調整するのが常でした。
 うちは世の中に多くある、受験のための塾ではないので、勉強の意味といった余計なことをお伝えしてきました。
 改めて、役立つ人もいるのではないかと考え、書くことにしました。
 進学先の選択肢の考え方を緩めてはいかが?
 という提案です。

進学先の先の話を大人の視点で

 高校受験は、重要なタイミングで、やりたいことに深く考えられるし、それにチャレンジする自分を試せるいいチャンスですね。

 将来を考えるとき、つい、今できることから考えたり、今好きでやっていることから考えたり、就職に役立つ資格取得できるところを考えたりしてしまいます。
 そういうことは本人に任せ、大人はもう少し遠い距離の視点を持ちたいものです。

 本人が思いつかない選択肢を提示できればいいのですが、
 選択肢を示すだけでも、選択肢が多すぎると選べなくて選ぶのが適当になります。
 少な過ぎても決めつけられて枠をはめられた感覚を持つものです。

 私からは、可能性、選択肢、未来といったものを提示することにします。
 ロボット教室に通ってくるような、ものづくり系、トライ・アンド・チャレンジ系、機械や電気に興味がある中学生向けの提案です。

●第2種電気工事士

 進学とは関係ありませんが、やりたいことにおそらく関係あるので、資格取得したらいいでしょう。
 工業高校電気科に行けば、資格取得できるでしょうが、やる気があればどこにいても試験に通れば大丈夫です。
 資格があれば、ロボットなどの自作のほか、家の中の電気系を好きなようにいじれるし、どこに行っても食いっぱぐれがありません。

・小学3年生、国家資格に合格 「電工少年」の夢はロボット博士 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20250316/k00/00m/040/133000c

・小学3年生“電工少女”電気工事士の一種試験合格に喜びと驚き
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20250108/6050028369.html

●高等専門学校

 舞鶴高専の他にもいろいろあります。オンライン講演会で話を聞きました。

・香川高等専門学校
https://www.kagawa-nct.ac.jp/

・神山まるごと高等専門学校
https://kamiyama.ac.jp/

 高専での、学校と生徒・学生との関係は、大学と似ています。学ぶことは膨大で、「ここでやりたい」と決めたら続けられます。
 「言われたことをやれる」タイプもいます。遅かれ早かれ自立した生活をしないといけません。
 留年など失敗も、自分を見つめ直す機会になります。

 ただし、先生は研究者、専門を教える人としては優秀でも、高校と違って進路指導など教育以外の面で十分でない場合もあるようです。

●高校

 県内の公立のほか、興味を引く学校もいくつもあります。以下は県外の学校ですが、オンライン講演会で話を聞きました。

・FC今治高校里山校
 https://fcihs-satoyama.ed.jp/
 キャプテンシップを育む。

・札幌新陽高校
 https://sapporoshinyo-h.ed.jp/
 “生徒の数だけ学びがある”を基本理念に

・東京の私立男子校御三家
「麻布」「開成」「武蔵」

 京都、大阪にも「私立の進学校」があります。
 あくまでも個人の感想です。
 「大学受験のための勉強だけの高校生活」が人生に幸せをもたらしてくれるのか、と感じます。
 ロボット教室の生徒は、私たち大人から見ると高校生活の3年間はあっという間なので、受験に特化するのもいいのかもしれませんが。

●ミネルバ大学

https://www.minerva.edu/
世界で一番、入るのが難しいと言われているミネルバ大学。世界7都市の寮をまわりながら社会問題の解決を行うPBLを中心とした学生生活を行う、これまでになかったスタイルの大学です。授業の間には、多国籍の同級生と現地調査ではなく授業、ミネルバ大学独自のアクティブラーニングプラットフォームを使ってディスカッションを行い、教員は授業時間の10%以下しか話してはいけない、というルール。受験料は無料で、パソコンを使ってオンライン上で受けられます。

 この大学を目指すというのもあります。卒業したある人は、高校に行かず高卒資格を取ったので、普通に高校に通っていた人よりも早く大学の準備に入れた、と話されていました。

人が選択するときにおこる大事なこと

 十分におわかりのことと思いますが、人が生きることの不思議があります。情報を共有します。

  • 「やりたいことをする」は正しい。

  • ただし、「やりたいこと」と思っていたことが、後になると意固地になっていただけだったと気づくことがある。

  • 失敗は、できるだけ年齢が若いうちに、小さいことからやった方がいい。

  • 失敗を見て周りの人はアドバイスしたくなるが、極力しない方がいい。

  • 周りは、「結果第一主義」で「やり方が気になる」が、それは単なる周りのエゴ。

  • 周りの人の機嫌が悪いと、「やっている人」を否定したり絡みがち。

  • 何にしても、「一所懸命」にすることが大事。結果はどちらでもいい。

  • 周りから一所懸命に見えなくても、やり方は人それぞれ。

  • 何をやったか、自然に話を聞けるくらいがちょうどいい。

  • 「一所懸命」にやっていると、何かの出会いで天職に出会うことがある。うまく行かなくなった時などに声をかけられることも。

  • 「やりたいこと」じゃなかったけれど、「なぜかずっと続けていて、みんなから頼りにされている」人もいる。

将来の職業

 何が良いというのはわかりません。

  • 「正社員を目指す」思考は傍に置いた方がいいかもしれません。企業も公務員も、正社員、正職員は極力減らして、非正規雇用、場合によっては時間雇用で人数だけそれなりに揃える傾向があります。それでいて、プロ意識、プロとしての技術を期待するといいます。経営者が求めるレベルが高いものの、人件費を極力低くする「効率化」を進めています。

  • 技術、能力がある人ほど安く雇われがちです。ない人は、コンプレックスのターゲットになります。

  • メーカーの技術者だと正社員になれるかもしれないけれど、優秀な外国人が採用されたり、外国の人が来たがらないほど日本経済が落ちていくかもしれません。

  • かつては、アメリカに行って実力主義で勝ち残っていくやり方もありました。実力を持っている必要があります。(かつてMicrosoftにいて、辞め、近年Timesなどに載った松原晋啓さんなど)

  • かつては、日本の企業の技術者の技術力に期待して、東〜東南アジアの国などに請われていく人もいました。新卒の人は関係ありません。

  • 他国では、技術者になるには「博士号(ドクター)」を持っている必要があります。(日本では重視されませんが・・・)

  • 起業するにも、「博士号」は必要です。(日本では重視されませんが、海外の企業とやりとりする時には必要です)

  • 「やりたいこと」の仕事が軌道に乗ったその結果、博士課程を中退した人もいる。

私見での提案

  • やりたいことをやるために、学びたいことを学ぶ。

  • 高専に行くのも、行かないのも、どちらも経験になる。

  • 博士課程まで視野に入れておく。

  • 研究テーマは自分で見つけ続ける。そのためには、興味を持って生きる。

  • 友人や先生など、人間関係を大切にする。

さいごに

 私の感覚が誰にも共通するとは思いませんが、
 学校の意味とか、友達の意味とか、これから生きていく中での学び方や学校選びの基本的な考え方を
 中学生時代からリアルにイメージさせてもらいたかったなあ、と考えることもあります。
 親や親戚を含めた当時出会った大人世代の人は、子供に対して自分の失敗談を語らないので、紋切り型で心に迫ってこなかったような気がします。

 私の子供時代に、まったくできない環境だったと思えないのだけれど、
 「やりたいこと」について真剣に考え、
 必死になってトライ・アンド・チャレンジしたらよかったと考えます。
 おそらく、変えようがない結果について求めていないのに判断され、分析され、提案されたこと、
 責任を果たすよう、準備から結果が出るまで考え、行動するよう促されなかったので、自分の手でやり切る経験をできずに、そのことから学ぶことができなかったのだろうなあ、と思います。

 という外側のこともあるし、信じてもらっていて、自分の人生を任されていると感じられなかったことも大きかったとも考えています。

 とは言いつつ、
 「人生の最後で帳尻が合うので、やる人はやる、やらないひとはやらない」
 「すべては学びになるので、失敗やうまくいかなかったことというのは無い」
 「すべての人に好かれるよりも、やりたいことをする」

 信じて、おおらかにいきましょう。

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