僕が思っていることです。
「ロボット教室は、アホをやるのを止めているストッパーを外させる場所だ」
どうやってストッパーを外させようか、といろいろ考えているのです。
「アホをやる」というのは、「反抗する」とか、「絶対の禁止事項を破る」ということではありません。
普段学校では、たった一つの正解を回答できるようにと授業を受けます。
ロボット教室のテキストも、ロボット工学の専門家が監修していますので、ロボットについての考え方では間違いがありません。(テキストの間違いはなくすよう努力しています)
ですから、読んでいる範囲では正しいし、見本のプログラムを書き込んだら、普通に動きます。
「授業料を払って、動作確認をしに来てどうするんだ!」
と思っているわけです。
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ロボット教室のロボットを使ってアホをするには、
パーツやプログラムの一つ一つの意味を考えて、
疑って、
本当に理解しないとできません。
というのは、講師からの目です。
生徒一人一人の視点からすると、
「ということは、こんなのにしてみたい。
そのためには、どこをどのように変える?
なるほど・・・」
その時に、見た目がとんでもなくアホなものほど、考えるときに燃えます。
ここでアホな例と挙げると失礼な気がしますが、心からのほめことばですから。
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1年目の夏のロボットは「不思議アイテム」です。
LEDが縦横に8個ずつ並んだ画面にアニメーションを表示する回がありました。
ある人は「手と足を曲げたり伸ばしたりしてラジオ体操のような格好の人が右に動いていくアニメーション」、
別の人は、「チョウチンアンコウが口をパクパクしながら右に動くアニメーション」を作りました。
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周りで見ていた人は大爆笑。それを見て「よーしじゃあ」と、創作意欲を刺激された人もいました。
学校の勉強と違って、自分が作りたいものが正解。
ロボプロのテキストにも問題がところどころにあるけれど、それに答えるのはファーストステップ。
「アホなこと」は次のステップです。
学校の勉強も実はそうなのだけれど、ロボットを動かすこと、プログラムを動かすことが目的で、理論は手段です。勉強は手段です。
理論がわかっている人の方が何でもできるのはその通りですが、逆順で
「このロボットで、こんなアホなことはできないかな?」
からはじまるのでもOKだと考えているのです。
「アホなことを考える」パワーは強力で、
周りの力を借りたらかなりのことは乗り越えていけます。
普段学校では、そのような力の発揮の仕方を抑えているので、
「ストッパーを外した状態を思い出」してもらえたらと思っているのです。
「アホなことをする」のは、「主体性を発揮する」いいきっかけになるのです。
ただ、「アホなこと」を考えるには、
「アホなこと」を考えるモードに入っているか、
ほかのことを考えない時間が必要です。
だから、「アホなこと」を考える時間をつぶすような、ネットゲームやYouTubeの話を長時間していたら、止めるのです。
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で、結構みんなカッコつけなので、アホなことをやろうとしません。
自分のアホなことを隠そうとします。
まあ、何か失敗は隠したいかもしれないけれど、
ロボット教室でやることを失敗なしにやるなんて、そりゃ無理。
教室で先生をしている私だって、いっぱい失敗しています。
で、今回のようなアホなことは、
率先してやるようにしています。
先生の立場だから隠そうとしなくてもいい、という意見があるかもしれませんが、
じゃあ、先生を30分でいいからやってみるか?
という話です。
(実際に先生役を順番にやってもらってもいいかも。
ロボット教室の先生は教えない、だとしたら、何を考えてみんなの前にいる?)
ともかく、
今回の例では、「江州温度をおどる人」を作ったことがありました。
以前の生徒の一人は、「おまえはあほか」という文字を一所懸命に作って僕に見せてくれました。
みんな、お互いにそれを見て笑えるから大丈夫です。
ロボット教室に来ている人同士くらい、お互いを信頼しましょう。
絶対に大丈夫だよ。
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