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【2:6:2の法則】

category : コラム, 勉強する, 人生を考える 2019.8.1 
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 誰にでも、得意なことと苦手なことがあります。
 僕が得意なことは、文章を読むことと書くことです。
 「得意」というと「上手」と思われがちですが、誰かと比べて上手かどうかはわかりません。
 でも「苦痛なく楽しんでできる」のです。「他人との比較はどうでもいい」と思っていますし、
 ”いややなあ” と思いながらはじめることはありません。

 「苦手」なことは、絵を描くことです。
 絵の具でも、鉛筆でも、ちぎり絵でも、その部分だけに集中し、その結果として全体の絵を仕上げられません。
 一部分から、一つの絵になるのが想像できないのです。

 このように、誰にも得意なこと、不得意なことがあります。

 10人の中で、上手な人が2人。下手な人が2人。どちらでもない人が6人います。
 上手な人から順に並べて、2人、6人、2人になるので「2:6:2の法則」といいます。

 ロボット教室に通ってきている皆さんにとって、上位の2人に入ると思えることは何でしょうか?
 下から2人に入ってしまうことは何でしょうか?
 どちらでもない6人に入っていることは何でしょうか?

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 お伝えしたいことがいくつかあります。

①グループ活動をするとき、
 メンバーにつける「2:6:2」の順位はものごとによって変わります。
 誰でも上位2人のレベルでできることは必ずあります。
 力を発揮しましょう。

②「得意なこと」
 「上手なこと」
 「苦痛なく楽しんでやれること」
 「他人との比較に興味ないこと」
 「すぐにはじめられること」
 「好きなこと」
 「やりたいこと」
 といろいろな書き方をしてきました。微妙に違いますね。

 自分が「得意なこと」でも、すべてに「イエス」とは限りません。
 でも似たようなことです。
 だとしたら、
 自分が「得意なこと」を知るのに、このようにいろいろな質問を自分にしてみましょう。
 きっと自分が「得意なこと」を新たに発見できます。

③上位の2人に入ることを1つ以上自分で知りましょう。
 伸ばしましょう。
 そして、学校内、市内、県内、日本国内、世界へと、広い世界に出ていきましょう。

④下から2人に入ってしまうことは、あきらめましょう。
 誰かがその場所に行かないといけないのです。
 不得意なこと、苦手なことはどうしようもありません。

⑤でも、下から2人に入っても仕方ないとあきらめるのは努力してから。
 工夫したら、真ん中の6人と同じ程度にできるようになれるものです。
 ほかの人の力を借りたり、
 道具を使ったり、
 タブレットを使ったり。

 同じ結果を出すのに同じやり方をしなくてもいい。
 工夫して、同じ程度の結果になるよう努力をしましょう。
 今は「できなくてもいい」
 「できないのは仕方がない」
 と考えているかもしれないけれど、
 学年が上がったり、大人になると、
 「得意じゃなくてもやらなきゃいけない」ことが増えてきます。
 真ん中の6人と同じ程度にできる工夫をする経験をしていきましょう。

⑥順位は変わるものだから、
 下位の人をバカにしてはいけません。
 上位の人の言うことだけを大切にしていてはいけません。

 だからみんなを大切にしましょう。
 自分の位置も変えるよう努力して、ほかの人の努力も助けて、順位を変えるよう働きかけましょう。

⑦もし、グループのリーダーになったら、
 みんなが何かの力を発揮しているように割り振りましょう。
 そして、上位、真ん中、下位の順番が入れ替わるように働きかけましょう。
 グループのみんなが自分の役割を知って、「役に立つ」ことも知って、
 ほかの一人一人のことを「すごい」と思えると、
 グループが元気になります。
 リーダーの自分も元気になります。

 「この人はこれが得意だから、これは絶対にこの人」と決めつけてはいけません。
 「得意」でも、「好き」ではないかもしれません。
 ほかの人が「やってみたい」かもしれません。

ーーーー
「⑤でも、下から2人に入っても仕方ないとあきらめるのは努力してから。」
 と書きました。大事なのはここです。

 小学校から大学に進むにしたがって、
 小さいころ天才だった人たちが普通の人になっていきます。
 理由はいろいろあるのですが、
 その中から自分の努力で何とかできる部分について書きます。

 小さい頃は、直感や勘で「正解」を出すことができます。
 内容も簡単なのでそれでいけます。

 けれど、次第に「順に考えていく」ことが必要になってきます。
 論理的思考とも言います。
 「順に考えていく」ことを「直感」でひらめく人と、
 ひらめかなくなる人に分かれます。

 ひらめかなくなった人は、
 「順に考える」やり方を教えてもらって、
 練習をすればいいのです。

 かつて楽に答えが出ていた栄光の時代を忘れられなくて、
 やり方を教えてもらっても使おうとしないし
 練習をしないから、
 「下から2人」になるし、
 固定されてしまうのです。

 「あきらめる」のはここではありません。

 小中学校の教科書に出てくることは、社会で生きていくために最低限必要なことです。
 計算が苦手だったら計算機を使ってもいいから、
 同じように教科書に出てくる内容はすべて知っていてほしいのです。
 「計算機」も工夫の一つです。

 「暗算」や「記憶」で下から2人になっても、
 タブレットを使って「真ん中の6人と同じこと」ができたらいいのです。

 また、ロボット教室に来ている年長さんから高校生までの生徒さんを見ていると、
 「工夫」や「努力」がなく、
 「過去の直感や勘で正解を出していたころ」と同じやり方で何とかしようとしている
 ようにしか見えないことがあります。

 「工夫」や「努力」をしているか、少し話したらわかります。

 ロボティクスプロフェッサーコース(ロボット博士養成講座)では、
 ロボットつくりとプログラムつくりをします。
 いろいろと試すことができます。
 むしろ勧めています。

 「少し変えて」
 「その結果どうなったか」
 「その理由を考える」
 を繰り返していけばいいのです。

 見当がつかなくても、
 たくさん試したら、何かわかってきます。

 ロボット教室のいいところは、
 失敗続きでも、
 いろいろと試す人をバカにする人はいません。

 むしろ尊敬されます。安心して試しましょう。
 逆に、自分で何もしようとしないで遊んでだけいる人、
 テキストの内容をスルーして飛ばす人は、
 生徒同士でそういう人と評価がされてしまいます。

 いろいろな努力をした後で、
 「下から2人」になったら、あきらめてもいいです。

 でも、いろいろ工夫していたら、
 「工夫がおもしろい」ので
 「ほかの人との比較」には興味なくなるでしょう。

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 「2:6:2の法則」を僕は『希望の法則』だと考えています。

 下から2人に入ってしまっても、
 いろいろ試して工夫して真ん中の6人と同じ結果になるように道具を使えばいいし、
 ほかの得意なことで上位2人に入ればいい。

 順位は入れ替わります。
 あきらめちゃいけません。

 「やりたいこと」だったら、工夫したらいいだけです。

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