[8月に発送した便りです]
2020年7月31日のNHKラジオに古田貴之先生が出演されていました。
(NHKラジオ第一「高橋源一郎の飛ぶ教室」2020年7月31日放送)
このようなことを話されていました。
古田貴之先生:
「僕はたまたま数学が得意だったから、ロボットをいろいろ考えているけれど、
僕が本当にやりたいことは、
『人と人とをつなげて、多様な人が生きる社会を作ること』
人の心を動かすものを作って、人の幸せに貢献したいんだ。」
これが、古田先生の「人生の目的」だそうです。
古田先生のことばを聴いてふと思いました。
ロボット博士養成講座のロボット教室に来ているみんなは、どんな目的があって来ているのだろうか?と。
「小さい目的」はあるのじゃないでしょうか?
例えば?
・ロボットやプログラミングはまだよくわからないけれど、なんかできそうな気がする。おもしろそう。
・思い通りにロボットを動かせるようになりたい。
みんなこうであってほしい、とは思いますが、いろいろあるでしょうね。みなさんはどんな目的で来られているでしょうか?
押し付けるものではないし、一人一人違うので、みんなの思いを聴かせてほしいなあ、と思います。
目的ではないけれど、例えば?
・自分が知らなかったことを知ることができてワクワクしている。
・テキストにある問題や問いを、「そんなこと考えたことなかったけれど、へえ、計算したら答えが出るんだ」と思っている。
・組み立てとロボットの形と動きとプログラムは、全部関係しているんだ。
といったことを感じていてくれたらいいなあ、と思っています。
「ロボットを研究して、作る人になりたい」という夢まではあっても、目的を考えたことがない、もしくは「わからん」が素直な意見ではないでしょうか。
「自分が考え出して作ったロボットを使って、自分や家族や友人や知り合いや街の人や日本の人や世界の人に役立つものを作りたい」というまでの大きな人生の目的
は、経験を積んでから見つければいいので、まずは「小さい目的」を見つけましょう。
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ちょっと怖い人間の真実を書いておきます。
人は、自分の目的に合った行動をしています。ロボットを学ぶための勉強も、ロボット教室での行動も、ロボット教室に来るまでの準備も、帰ってからの振り返りも。すべてそれです。
その結果、知識や経験、得たものは同じテキストを受け取って読んでも、大きな差が出てきます。ある人は「おもしろい」と言い、ある人は「つまらん」「わからんかった」と言います。
極端な例では、全国大会に出るようなロボットを作る人、テキストの文字が多いところを「めんどい」と読み飛ばして頭に何も残っていない人に分かれます。
目的が違って、行動が少し違うだけで、このような違いが出てきます。
「つまらん」「わからんかった」という人をダメだというつもりはありません。なんとかサポートできたかもしれないので、申し訳なく思います。
ただ、せっかく自分の時間とお金を使うなら、自分の技術や能力を高めるには面倒なことは絶対にあるので、ワクワクするものに取り組んだ方がいいと思うのです。
ともかく、ロボット教室では、「正しい答えを教えてもらおう」「遊ばせてもらおう」よりは、「それって、どうやったらできるのかな?」と思って来た方が、通う意味がありますよ、というお話です。
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「それって、どうやったらできるのかな?」を説明します。
誰にも、「今できること」「今できないこと」があります。
問題が起こったら、「今できること」で解決しようとします。
「今できないこと」しか方法がないなら、あきらめます。
だから、「できる」と思うことは、「あきらめない」というだけ大事です。そのままでは解決できないとしても。
実際には、「できないこと」「今できること」「今はできないけれど、これからできるようになりたいこと」の3つに分かれます。
問題が起こった時、大人も子供も関係なく、「わからん」「知らん」「誰かやって」と言えないことが多いです。
そういう時は、「できないこと」は「今できること」でカバーするのです。「今できること」で足らなかったら、次のことを自分の力に追加していくのです。
「知識、技術、協力を得る、好奇心、行動 など」
これらが、「今はできないけれど、これからできるようになりたいこと」です。
そうしたら、問題は解決し、知識などは増え、経験値は高まり、自分がバージョンアップします。
ただ残念なことに、自分で考えて、決めて、行動するしか方法はありません。「全部教えて」「○○さんが悪い。僕は被害者」と言っている人は何も得られません。
これが、「それって、どうやったらできるのかな?」の回答です。
この思いを持つためには、今回のテーマの『目的』が大事です。自分がそう思ったらいいのですから。誰から何を言われても、笑われても、関係ありません。
今まで、『目的』のようなことを話して笑われて、悲しかった人もいることでしょう。それは、相手の行動が悪い。でも相手を責めても仕方ありません。「この返し方がおもしろい」とテレビで学んだだけだから。もしくは「そんな考え方も素敵だね」と思う心の余裕がなかったからかも。
「○○をやりたい」「○○をできるようになりたい」
そんな思いを教えてください。何かサポートできるかもしれません。授業の前後やオンラインで話を聴きます。応援しています。
(学びラボ 若狭 喜弘)
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