[5月に発送した便りです]
学びラボ ロボット教室の生徒はみんな知っているけれど、はじめたての人や来ていない人が知らないことは、
●「学ぶ」とは、教えてもらうことではなくて、自分から理解しに行くこと。
●ロボットを作るときにやっていること。
①テキストにはロボット作りのすべてが書いてあるのでじっくり読む。
②順番に考えて、一つ一つ試して、自分の知識や能力を積み重ねていく。ロボットの動きの順番も考える。「適当に」では作れない。
③式を計算することが苦手でも逃げない。国語、算数・数学、物理(理科)が必要。
④簡単にできることだけをやっていないで、少し難しそう・面倒そうに見えて避けていたことにチャレンジする。楽しむ。
【思春期、反抗期のキミへ】
●これだけはやる
最初に。
大人はみんな通ってきた道です。思い悩むのはキミだけじゃない。
思春期、反抗期の親子関係、学校の先生とのつきあい方を書きます。
これだけをやったら、話しかけてこられる頻度が減って、多少は心が穏やかになれます。
『親や先生が行事などのために絶対に必要としている情報や結果報告を、聴かれる前に伝える』
自分を守るためにも、とても重要です。
これだけです。これを言わないから、追いかけられ、追及され、関係ない話まで出されてしまうのです。
それ以外の重要でない話や自分以外の人へのイライラのはけ口にされていると感じたら、断ってもかまいません。(子供がそういう相手にされてしまうことはよくあります)
大人になって、働くようになって重要なことは、「ほう・れん・そう」です。漢字に書くと、「報連相」。報告、連絡、相談です。いちいち監視されに行っているように感じるかもしれませんが、逆です。自分の責任を上司に引き受けてもらうためのものです。失敗しても困っても、早めに言っておくと、アイディアをもらえたり、何とかしてもらえたりします。自分にとって得しかありません。
誰でも最初からうまくいくものではないですし、同じことをやっているように思っていても、人それぞれの個性があるので同じ結果にはなりません。だから、やってみるしかありません。特に、いろいろ考える場面では、人によって多種多様な結論を出すし、決められた正解はありません。だから、「報連相」が必要なのです。
先ほど書いたことは、この「報連相」です。「報連相」をしないで、うまくいかなくて「やっぱりあかんかった。しょうがない」と言う人もいます。思春期、反抗期らしい言い方ですが、うまくいくために必要そうなことを何もしなかったらうまくいかなくて当然です。何がダメなのか、何を変えたらいいのかわかりますね。
ある程度今の状況を知らせていたら、安心して放っておいてもらえます。キミにとって得なことなので、ぜひ実行しましょう。
実は、学びラボ ロボット教室で最初と最後にキミたちに聴いているのはこのことです。
「私が思う、望ましいこと、正しいことをやってもらいたい」とは思うけれど、キミたちが「あ、そうか!」と気づくのはキミたち次第。ここはキミたちが学ぶ場で、時間とお金と頭を使って学びに来ているのだから、何を学ぶか、進め方、時間の使い方なども、だからキミたちに任せています。
キミたちがロボット作りの何を見ているかは、かなりバラバラです。ロボットを組み立てられたらいい、コントローラーで動かせたらいい、という人もいます。プログラムとロボットの動きの関係がだいたいわかったらいいという人、プログラミングの一つ一つのコマンドにこだわる人もいれば、試しに変えてみて動きがどうなるか観察する人もいます。中には、モーターをつける向きが逆と指摘してもそれを直すだけで、「注意深さ」を変える試みをしない人もいます。やる気がある人ばかりでも、これだけバラバラです。私が想像できないものを見ている人もいることでしょう。
たまに、おしゃべりを続けたり、別のことをやったりして「怒られるのを待っている人」「指示されるのを待っている人」もいますが、キミたちが自分で「意味がないことをしていた」と気づくしかありません。
キミたちが困ったときには、最大限強力な味方になるので、早めに伝えてください。
実感していると思うけれど、すべて代わってやってあげることはないし、正解例を教えるだけということもしない。ときには、「がんばれ」とだけ言うときもあります。
キミたちが自分から学ぶ機会は最大限尊重するので安心してください。
●思春期、反抗期のきっかけ
親が言うことに大きな間違いはありません。なので、言ったことを理解し、受け入れて、かなり努力した人もいるでしょう。自分がやりたいことを我慢して、半年、1年の間過ごしてきた人もいるでしょう。
中学入試はこの一例です。勉強はしていたけれど、受験準備期間と合格がわかってからしばらくの間の記憶がないという話も聞いたことがあります。
これは、血管を押さえて血液の流れを止めていたようなものです。身体の安全を観察しながら血液を流して、ストレッチからはじめましょう。
中学入試については困ったことに、合格がゴールではなくて、次のスタートになっています。入学後は学校生活が楽しいと感じつつも、学校の授業や部活で目いっぱいになってさらにきつい日々になっているかもしれません。
(※参考までに。公立中学校に進学した人も、小学校とはずいぶん違う授業の内容や授業方法や速さで苦労し、部活で時間と体力を消耗しています。それでも10代は慣れ、さらにレベルが高いことをやれるようになります。)
渦潮の渦の中にいるようなものですので、目の前のことを対処するので精一杯になります。すべて捨てて拒否したくもなるでしょう。
ちょっと待った。
ここで大事なのは、「自分が本当にやりたいことは何か?」を思い出すことです。
ロボプロ体験会のときにお話した『生きる力』を思い出してください。(後述)
一番目に「①自分が好きなことを好きと言える。」がありました。さらに好きと言えるだけではなく、「そして、一番大事なことをやる。」と続きます。
中学への進学と時期を同じく反抗期モードに入ってしまった人にとって、このことをわかっていても、覚えていても、「好きなことを好きと言ったり、自分にとって一番大事なことをやるなんて無理」と思うかもしれません。これについては、実体験を重ねるしかありません。ほんの小さなことでいいので失敗したら笑われるかもしれないことをやると決め、何とかうまくいった経験をすることです。やりもしないで、努力もしないで、「どうせだめ」と考えるのは、自分の役に立ちません。自分で決める経験、実行して結果を知る経験が大事です。失敗してもそれは「経験」で、「正解」です。
忘れてはいけないのは、「いま簡単にできることではなく、やりたいことをできるようになること」です。キミが望むなら、たいがいのことは練習して上達できます。
実際に何をどのようにやるかについては、自分の頭の中だけで考えるのではなく、信頼できる人に頭の中のゴチャゴチャを話してみることです。話して、心に決めたことは、正解です。ほかの人の意見は関係ありません。
そして、自分で計画を立て、スケジュールを組み、何かあっても自分で責任をとると決めたら、すべて思い通りにできます。
●もうひとつやること
ここまでやると反抗している暇はありませんが、できれば反抗期にやるべきことも経験しておきましょう。自分の気持ちを正直に話して相手に知ってもらいましょう。それは相手を信頼しているからこそできます。
この時、相手はキミが話したことに賛成してくれるとは限りません。でも、キミが思っていることを知ってもらうことの方が大事です。まずは相手を信頼し、思っていることをすべて出す経験をしてください。
人との信頼関係はこうやって伝え合うことからはじまります。寸止めにしたり、我慢したりするのは大人になってからでも練習できます。
言い方のアドバイスをします。
・怒りや悲しみを表現するのは、自分を大事にすることである。そして、お互いが理解するために必要なことである。
・事実、思ったこと、理由を区分して話す。
・相手の才能、人格、生まれ、性別など、努力しても変えられないことは言わない。踏み込んで言ってしまった時には謝る。
思春期、反抗期は誰でも経験していくものです。できるだけ傷つきすぎないように、できるだけ有意義に過ごしましょう。
●学びラボ ロボット教室で身につけてほしい『生きる力』
「実現したい夢を持ち、考え、決めて、行動して、結果を手にする力」
具体的には、
①自分が好きなことを好きといえること。そして、一番大事なことをやる。
②自分がやりたいと言ってはじめたことは、やりとげてもいいし、少し休んでもいいし、やめてもいい。大事なのは、自分で決めること。そして、伝える。どれに決めても、それが正解。
③お客さん、サービスされる側にいないこと。自分がやる。人の才能や性格などを変えることはできないが、ロボットの技術のほかに、行動や考え方、感情の出し方は、自分が望むならば練習して上達できる。
④対人トラブルの原因は、相手がやり方や助けてもらい方を知らないから。相手と話し合って、お互いに納得するよう調整すること。相手も困っている。一緒に解決を目指す。
⑤困っているなら、困っていることを自分からヘルプを求める。そして、ありがとうと伝える。
(※⑤困ったときについて。できるだけ早くヘルプを求めてほしいけれど、一方では考えず、調べず、手を何も動かさずに「わからない」「何をやったらいいですか?」と言う人もいる。
「③自分が望むならば練習して上達できる」の通りに、レベルアップをキミが望むなら、考えること、調べることなどを練習してもらいたい。練習をしたら、コツをつかめる。ヘルプを求めるのは、次の話。また、忘れ物、失くし物が多い人がいる。けれどほかの人以上にやる気があって、しっかり学んでいる人もいる。なので、私から返す適切なことばを選ぶのに時間がかかることがある。
なお、「自分が望むならば」はとても大事。ここをいいかげんにしてはいけない。人ごとになってしまいます。)
(学びラボ 若狭 喜弘)
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