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【ロジカルに考えられると勘が良くなる?】

category : ロボットつくり, コラム, 勉強する 2022.11.26 
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[11月に発送した便りです]

 学びラボ ロボット教室の生徒はみんな知っているけれど、はじめたての人や来ていない人が知らないことは、
●「学ぶ」とは、教えてもらうことではなくて、自分から理解しに行くこと。

●ロボットを作るときにやっていること。
①テキストにはロボット作りのすべてが書いてあるのでじっくり読む。
②順番に考えて、一つ一つ試して、自分の知識や能力を積み重ねていく。ロボットの動きの順番も考える。「適当に」では作れない。
③式を計算することが苦手でも逃げない。国語、算数・数学、物理(理科)が必要。
④簡単にできることだけをやっていないで、少し難しそう・面倒そうに見えて避けていたことにチャレンジする。楽しむ。

【ロジカルに考えられると勘が良くなる?】
[ロジカルって何?]
 ロボット作りは、ロジカル(論理的)なものです。(「論理的」と書くと漢字を見ただけで難しく感じる人もいるので、今回は「ロジカル」とします。)
 ロボットを作るのもロジカル、テキストを読むのもロジカル、テキストの中の設問に答えようと考えるのもロジカルです。ロボットを作る人がロジカルに考えることから逃げられません。これから生きていく時にも。
 「ロジカル」は、「AだったらBになる」といった「パターンを見つけ出して使う」こと。日常で考えていることと同じなので、それほど難しいものではありません。
 ある程度ロジカルに考えられるようになったら、高速で考えられるようになって、それが直感や勘と呼ぶものになります。

 ロジカルとは、例えば、
・買い物に行って、お金を渡して受け取ったおつりが正しいか確認する。
・太郎君は朝8時に家を出て学校に行く。学校まで1時間かかる。何時に着くか、考える。

 「○○は、△△だから、□□になった」
 というパターンです。この関係に当てはめていくのが「考える」ということです。
 タイルを当てはめるパズルみたいなものです。パターンは多くありません。
 実際にはこのパターンを何段階も重ねますが、日常でやっていることです。学校の教科書やロボット教室のテキストは難しく見えるかもしれませんが、「ロジカルに考える」ことでは同じで、怖れたり嫌がったりするものではありません。

[ロボット教室のロジカル]
 なぜ今回、このようなことをテーマにしたかというと、「ロジカルに考える」ことを受け入れたら、日々の勉強が楽になり、ロボット作りやプログラミングの見通しが良くなることを伝えたかったのです。できる人のはずなのに、ロジカルに考えるのが苦手なせいで成績が良くなさそうな人への応援メッセージでもあります。
 ロボット教室では、「テキストを自分で読んで必要なことを読み取っていかないとできないぞ」「写真を見るだけ、直感や勘だけで適当にはできないぞ」と実感していることでしょう。
 ロボット教室のテキストの設問を見て固まっていたり、テキストに注意点が書いてあるのに読み飛ばしてロボットが動かない人がいます。ほかに、USBケーブルが刺さらない向きに取り付けたり、モーターから煙を出したりなど、どんな人でも全員が何かしらロジカルでないミスを経験しています。
 また、ロボット教室の授業でみんなの表情に、「なんや難しいなあ」「いろいろ考えさせられてる」「考えるのメンドイ」と思っているように見えることがあったからでした。ロジカルに考えていない生徒、考えられない生徒は、「人任せ」で「適当」で、無責任な振る舞いに見えることもありました。
 ロジカルに考えることにまだ慣れていないし、便利さをまだ実感していないのでしょう。

[直感や勘で作っている人を弁護する]
 ロボットを作っているときの「なんか変だな」は直感ですから、直感が悪い訳ではありません。最初から最後まで直感や勘で作っている人も、ロジカルでないのではありません。
 おそらく小学校低学年の30m走のゴールが見えているレベルではロジカルに考えているはずです。どうやったら1着になれるか、一瞬で答えが出ます。単純に見たまま、それをロジカルに考えるレベルは、小学校時代に成績が良かった人はやっていることでしょう。
 このように一瞬ロジカルに考えて成功した経験があるので、一瞬しか考えないし、一瞬で答えが出ないものを考えられなくなって拒否しているように感じられます。
 それ以上複雑なことは一瞬で答えが出なくて「面倒くさい」になりがちです。これから多くのことは、自分で判断しないといけないですし、きちんと段階を踏んでロジカルに考えないと答えが出ません。一瞬で答えが出るものはほとんどありません。
 でも、ロジカルに考えることは、そんなに難しいことではないし、使えたらとてつもなく役立つので、ロボット教室のテキストを読んでロジカルに考える練習してもらいたいと思っているのです。「適当に」やったとしても、きちんとロジカルに分析して次を考えていたらいいのです。

[ロジカルに考えることから逃げられない]
 学校の勉強を含めて「勉強」は、ロジカルに理解する練習とそれを実際に使って中身を理解することです。小学校、中学校、高校の違いは、勉強する教科書の情報量が多くなって、覚えることが増えるのは、経験的に身に染みて知っていることでしょう。同時にロジカルに考えなければいけない量も割合も増えます。学校で学ぶことは、科学的に正しいことだけです。「科学的に正しい」というのは、ロジカルに考えて、いつでも同じ結果が出ることをいいます。
 すべてロジカルなものです。ロジカルに考えること、生徒の立場で言うと「考えること」ばかりになります。ロジカルに考えることを「面倒くさい」と避けていても、いいことは何もありません。
 「いつでも同じ結果が出る」というのは、考え方のパターンは限られているからで、慣れたらこれほど楽なことはありません。一度ロジカルに考えたことがあると、「ここ、なんか変だな」と気づけるようになります。
 ロボット教室の授業で、ロジカルに考えることに慣れて、考える経験を重ねてもらいたいと、いまさらな話ですがこのテーマにしています。

 学校の授業では、生徒もおそらく先生も、知識、結果、方法を教え、覚えることが多いので、その情報(量)に注目してしまうのでしょう。ロジカルにパターン化できたらイメージしやすいはずですが、ロジカルに考えられない生徒、考える習慣がない生徒はパターンを見つけられずに「丸暗記しなきゃ」となるように感じます。
 「塾で問題の解き方を習ったらできるようになる」とも聞きます。覚えられればそれもありです。その代わり、「なぜそうなるのか?」を理解しましょう。「なぜそうなるのか?」がロジカルなパターンそのものです。自分でルールやパターンを見つけ出すほうがおもしろいのですが。

[ロボット教室でロジカルに読む練習]
 ロボット教室での対策は、「きちんとテキストを読む」のが一つの方法です。まず読み飛ばすことなく読みましょう。対策というか、自分に適した理解の仕方を、テキストを読み進めながら見つけて身につけましょう。
 「きちんとテキストを読む」にも2種類あります。
 一つは、「ただ文字を読む」です。文字を目で追っているだけです。日本語まではわかるけれど、それ以上は理解できていません。大人でも、法律書など専門用語だらけの本は、文字を見るだけでも嫌になることがあります。これでは読んでいることにはなりません。けれど、外国語の学び方の1つの方法として、最初から最後までを何度も読む方法もあります。脳が勝手に意味があるパターンを見つけ出すのかもしれません。10回読めば何か見えてくるかも。
 もう一つは、「理由や関係、パターンやルール、使い方を見つけ出そうと考えながら読む」です。ロボット教室のテキストを読むときにはこの方法が王道です。学校の教科書や本を読むときもこの方法です。

[ロジカルに考えられるようになったら直感が使える]
 最初に、「ある程度ロジカルに考えられるようになったら、高速で考えられるようになって、それが直感や勘と呼ぶものになります。」と書きました。
 直感や勘は、いろいろな経験をしないと磨かれません。子供時代は経験数が少ないから仕方ないのですが、食わず嫌いなどのように、経験したことないものを拒絶したり、たった1回の経験を根拠に判断しているものもあります。
 「ロジカルに考える」とは、いつでもだれでも同じ結果が出る考え方のパターンです。失敗やうまくいかなかったときに、次にうまくいくための条件を探すことです。
 経験したことの分析をたくさんしていると、「うまくいくパターン」や「失敗するパターン」がなんとなく見えてきます。それが、直感や勘と呼ばれるものです。
 直感や勘でやりたければ、ロジカルに考える経験を山のようにやって、まずはきちんと考える習慣を身につけることです。ロジカルに分析しないで「適当に」やっているだけでは、直感や勘を使えるようにはなりません。
 ロボット教室のロボット作りやプログラミングで、ロジカルに考える練習を楽しみながらやっていきましょう。

(学びラボ 若狭 喜弘)

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